
トルストイという名前を聞いたことがありますか?
数多くの作品がありますが、その1つに「北斗七星」という題の童話があります。
昔、地球に非常な日照りがあり、一滴の水さえ得ることができませんでした。
1人の少女が病気で寝ている母親に飲ませてあげたいと「ひしゃく」を手に水を求め、静まり返った荒野に出かけていきました。しかし水はありません。
探し疲れて、深い眠りに引きずり込まれました。
やがて飢えと渇きに目覚めると、そばに置かれた「ひしゃく」は水で満たされ、月の光に輝いていました。
思わず飲もうとしましたが、「いけない。お母さんが待っている。」と家へ急ぐ途中、知らずに子犬を踏みつけてしまいました。
手から「ひしゃく」が落ちてしまいましたが、水は不思議とそのままでした。
少女が子犬に水と飲ませると「ひしゃく」は銀に変わりました。
家へ帰り、お母さんに言いました。
「お母さん、水」
「お母さんは大丈夫。おまえが飲みなさい。」
銀のひしゃくは金に変わりました。
少女が水を飲もうとしたとき、入り口に貧しい身なりの人が現れ、
「1口、飲ませてください」と言いました。
「ひしゃく」から一滴一滴、水がこぼれ、その水は光り輝くダイヤモンドになって、静かに天に昇っていきました。
今、輝く北斗七星は、この7つのダイヤモンドだというのです。
トルストイは北斗七星を空に見て、「美しさって何か」を探したのです。
私たちも空に輝く星々を見るとき、どんな美しいことを見つけることができることでしょうか。
Comments are closed.