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2020年5月31日(日)

トルストイという名前を聞いたことがありますか?

数多くの作品がありますが、その1つに「北斗七星」という題の童話があります。

昔、地球に非常な日照りがあり、一滴の水さえ得ることができませんでした。

1人の少女が病気で寝ている母親に飲ませてあげたいと「ひしゃく」を手に水を求め、静まり返った荒野に出かけていきました。しかし水はありません。

探し疲れて、深い眠りに引きずり込まれました。

やがて飢えと渇きに目覚めると、そばに置かれた「ひしゃく」は水で満たされ、月の光に輝いていました。

思わず飲もうとしましたが、「いけない。お母さんが待っている。」と家へ急ぐ途中、知らずに子犬を踏みつけてしまいました。

手から「ひしゃく」が落ちてしまいましたが、水は不思議とそのままでした。

少女が子犬に水と飲ませると「ひしゃく」は銀に変わりました。

家へ帰り、お母さんに言いました。

「お母さん、水」

「お母さんは大丈夫。おまえが飲みなさい。」

銀のひしゃくは金に変わりました。

少女が水を飲もうとしたとき、入り口に貧しい身なりの人が現れ、

「1口、飲ませてください」と言いました。

「ひしゃく」から一滴一滴、水がこぼれ、その水は光り輝くダイヤモンドになって、静かに天に昇っていきました。

今、輝く北斗七星は、この7つのダイヤモンドだというのです。

トルストイは北斗七星を空に見て、「美しさって何か」を探したのです。

私たちも空に輝く星々を見るとき、どんな美しいことを見つけることができることでしょうか。

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