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2018年4月15日(日)

1996年の夏、4年に一度のオリンピックがアトランタで開催されました。この年はギリシャのアテネでオリンピックが開催されてから100年目に当たる記念の年でもあり、テレビに映し出される選手たちには感動させられることばかりでした。陸上の100メートル競争でベイリー選手が9、84秒で優勝しました。グラウンドの一周を頭の中に描いてみてください。1と2と……10と数えないうちにゴールしてしまうのですから驚きです。100メートル44歩で走る計算になるそうです。オリンピックも最終の日、男子のマラソンが行われました。すべての選手が走り終わり、閉会式の準備が忙しく行われていました。そんな中、アフガニスタンのアブドルという選手がゴールラインに向かって走ってきたのです。スタートして、もう4時間以上もたっていました。その選手は、準備していた人たちに迎えられ、歩きながらゴールしました。途中で体調が悪くなり、みんなにおいてきぼりにされてしまいました。自分が一番最後になるのだからやめてもよかったのです。「どうして途中でやめなかったのですか」との質問に、「自分の国、アフガニスタンは、私が4歳のときからずっと戦争をしている。そんな戦争の中でもこうして生き抜いて今も生きているんだということを世界中の人に示したかったので、最後まではしり抜こうと思ったんです」と言っていました。世界が平和になりますようにと祈りたいものです。

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