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2016年2月28日(日)

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「わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ、わたしは絶えずあなたに真実をつくしてきた」(エレミア書 31章3節)
ある父親に1人の娘がおりました。娘がまだ小さい頃、父親はよくその子を抱き上げ、「愛しているよ」と何度もその小さな耳にささやきました。やがて、もうそれほど小さくない娘は、住み慣れた家を離れ、外の世界に飛び出していきました。父親は、娘が地球上のどこにいても必ず電話をかけて、「小さなかわいい娘よ、愛しているよ」と言ったものでした。
ある日のこと。娘は病院からの電話で、父親が脳卒中で倒れ、もう自分の力で話すこともできないし、話しかけられても理解できないということを知りました。病室に駆けつけ、ベッドの脇に腰を下ろすと、娘の目から涙があふれてきました。父親と過ごした楽しかった日々がよみがえってきましたが、もう二度と父親の口から、あの愛にあふれた安らぎの言葉は聞かれません。言うに言われぬ寂しさ、虚しさが胸に迫ってまいりました。娘は父親の胸の上にそっと頭を乗せました。
すると何かの音が聞こえてきました。耳をじっと澄ませると、それは心臓の鼓動でした。
その音を聞きながら、うとうととしかけたその時です。ドッドッ・・・。
規則正しく鳴り続ける心臓の鼓動は、やがて愛の言葉をささやき出しました。「愛しているよ」
小さな娘の心には深い安らぎが戻ってきました。私どもは、誰もが、愛のささやきを必要としています。心の耳を澄ませるなら、神の愛のささやきが必ず聞こえてきます。
今日の礼拝、神の愛のささやきに、耳を傾けましょう。

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